日本原子力学会誌に投稿した「解説記事」のプレプリントです。
計算機の性能の大幅な向上と計算コードの発展に伴い、計算に基づく放射線検出器
の特性研究や開発への活用の可能性が飛躍的に増大してきています。
計算コードの使用により、実測では得ることができない情報を調べたり、実際に
測定器の試作を行う前に特性の検討を行い、より効率的に目的とする検出器の開発
を行うことも可能になっています。一方、計算コードを用いて得られた情報を無条件
に正しいものとして、その限界や使用条件を考慮しないで使用している例も増えて
いるように思われます。
しかし、計算コードを用いて得られる情報は、現実の放射線検出器の中で生じている
複雑な現象に比べると限られたものであり、計算結果の解釈や、そこから得られた
情報に基づき放射線検出器の開発を行う場合には、このことを十分理解しておく必要
があることについての解説を試みたものです。