He/Xe混合ガスのシンチレーション特性測定


位置敏感型He3比例計数管は中性子回折実験や中性子ラジオグラフィにおいて広く用いられている検出器です。この検出器は安価で安定であり出力波高も大き いので非常に検出器として良好な特性を有していますが、出力の時間分解能が悪いという欠点があります。この時間分解能を向上させる手法として、検出ガスの シンチレーション光の利用に着目しました。時間分解能を改善することができれば、高速2次元検出器の可能性が生まれてきます。

シンチレーション光を利用するためにHeにXeを添加した検出ガスに着目しました。このガスを図のような検出器に封入し、アルファ線やX線を入射して、発 光特性を調べ、He単体より早いDecay timeを持つこと、Pure Xeと遜色ない発光量が得られることを明らかにしました。このガスを用いてMulti-Anode PMTと組み合わせた2次元検出器にすることができる ことが明らかになりました。

he_xe_gas_chamber

この研究をもっとお知りになりたい方へ

参考文献
  1. Study of scintillation in helium mixed with xenon to develop thermal neutron detectors K. Saito, S. Sasaki, H. Tawara, T. Sanami, E. Shibamura, Nucl. Inst. Meth. A, Vol. 581, Pages 119-122